スパイスを使って料理を作ること、それは辛さやアロマの芸術でもありながら、医食同源の根本とも言える身体への癒しを創造することでもあります。
体内の毒素(アーマ)は未消化物から出来てゆきます。体そして人生を整えてゆくその始まりが食と言ってもよいかもしれません。そのとても大切な食、ここに関わらせてもらう立場として行き着いたのがアーユルベーダの薬膳です。
ヨーガが流行っています。とても良いことです。けれどそれを極めてゆくと必ずぶつかるのが「身体は食から整えてゆかなくてはならない」ということだと思います。沢山の人たちがこのことに気付き始めました。そしてインドの叡智に学ぼうとしています。
私がインド料理に魅せられたきっかけはボランティアキャンプで働いていたときに現地の家庭料理を摂っていたら驚くほど体調が良くなったことでした。その後私はインド料理研究を仕事にし、通常の料理はなんとか作れるようになってきました。けれどアーユルベーダにおけるプラクリティー(この場合は原体質という意味)に実際どのように対応してゆけばいいのか、それは自分のオピニオンに留まってしまい自信を持てませんでした。
今回、その答を垣間見て帰国することが出来たのは、ナラヤナンシェフという尊敬すべき方との出会いがあってのことです。学んできた詳しい話は専門的になりすぎてしまいますのでアーユルベーダ学会報「シャンティーマールガ」にこれから執筆してゆきますが(この会報は今年度より一般の方々も購入できるようになります。詳しくは学会HPをチェックしていて下さい)ナラヤナンシェフは地元ケーララ州のツーリズムフェアでアーユルベーダ薬膳料理を去年公式に発表され、現在は植物学も学ばれているかたです。
写真はランチです。左上に見えるのは食前のお茶、お料理はバナナの葉の敷かれた真鍮盆に並び本格的南インド料理でありながらも完璧な薬膳であり、辛味は無くも食を進ませ尚且つ滋味と芳香に満ちたシェフの「作品」です。
インド料理(特に南インド)が辛くなくては本格的ではないという意見に異を唱える私としてはこれはまさに「完璧なる引き算」のスパイス使いの芸術品でした。それは唐辛子がインドにまだ無かった大航海時代以前の料理のイメージ作りにもとても役立つ味で、感激の連続でした。 |